IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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装着後のトラブルとその対応その3~義歯に問題が生じた時~

Q.保険の義歯では、人工歯がとれてしまったりということがよくありますが、テレスコープの人工歯でそのようなトラブルを防ぐためにはどうしたらいいでしょうか?

 

A.テレスコープデンチャーは、その構造上、内外冠、連結部、床、人工歯により構成されており、通常これをレジンにて一体化し、完成します。

コーヌスクローネの場合、外冠のわずかな浮き上がりも、内冠との間の維持力の喪失につながることは明白です。したがって、床の重合に際しては、従来からのフラスコによる加熱重合法は適しません。

それは、床の部分でフラスコを上下に分離してレジンを填入するため、床の浮き上がりが生じ、その結果、内冠と外冠に間隙が生じて維持力が発揮できないためです。

これらを防止するためには、流し込みレジンをしようするか、もしくはイボカップシステムのような射出型重合法を用いることを推奨します。その際、人工歯の粘膜を一層削除し、粗面にしておくか、あるいは維持溝を形成し、機会的に結合し、強度を増して人工歯の脱落を防止します。

 

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外冠、床、人工歯は流し込みレジンで一体化します。

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人工歯の内面を粗くし、維持溝を付与します。

 

以前はテレスコープの咬合面は金属にすることが多かったのですが、最近ではコンポジットレジンの硬質な人工歯があるため、咬合面も白くすることが可能になり、審美的にも優れています。




2010年09月22日

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