IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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2015『顎関節症ライブ実習コース』開催〜その3〜

『顎関節症ライブ実習コース』〜その2〜

に引き続き、いよいよ治療です。 

DSC_0668.jpg 前日にマニュピレーションを行い、開口量2.3センチだった関節が、4.5センチまで開くことができるうになりました。 変化として、顎の音が鳴るようになったということ。

ドップラー聴診器で音を確かめます。 

 

「顎が鳴るっていうのは、良い傾向ですよ!関節円板にのって口が開いている事ですから(^_^)」

 

と稲葉先生。

 

関節の音がしない。

 

というのは、正常なので音がしないということと、関節円板が落ちてしまって滑走できないために、音がしないのと2つあります。

 

昔、クリック音があったけれど、最近なくなった。

 

というのが一番危ないと話がありました。 

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当日の朝ごはんは、

「今迄食べる事ができなかった大きなおにぎりを食べる事ができました!」

 

と早速Facebookからメッセージが・・・

 

良かったですね!! 

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咬合紙で中心位の接触から調べて行きます。

 

咬合器とほとんど同じ接触です。 

 

今回の咬合調整法はギシェー法です。 

 

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素晴らしい!こんな大画面で稲葉先生の咬合調整を見る事ができます。

 

非常にわかりやすかったと思います。 

【ギシェー法・咬合調整順序】

 

1.中心位の早期接触を除去します。

 

接触している部位を上下とも削除します。

 

ただし、この時セントリックストップを失わないように、また、セントリックストップの位置が咬頭頂と窩底となるように、咬頭をシャープに窩底を広げるように削ります。

 

2.前方運動時の干渉、接触の除去

 

●平衡側 支持咬頭の内斜面を咬頭頂(セントリックストップ)を残して削除し、この咬頭の通り路を対向する支持咬頭内斜面に形成します。

 

この時窩底につくったセントリックストップを削除しないように気をつけてください。

 

●作業側 上顎舌側咬頭の外斜面を咬頭頂を残し削除します。

 

下顎の舌側咬頭内斜面については求める咬合形式が犬歯誘導かグループファンクションかによって、 またグループファンクションにしてもどの歯まで接触させるかで接触させる歯させない歯が出てきます。

 

接触させない場合は下顎咬頭外斜面を削除し、この咬頭い通り路を上顎咬頭内斜面に形成します。

 

接触させる場合でも広報の歯が強くあたるのは干渉であるので、同時に接触するように調整します。

 

犬歯誘導の場合はこのような臼歯部接触はすべて除去します。 

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スチュアートの咬合調整法との違いは、中心位の調整を最初にやるか最後にやるかということですね。

 

どちらにも共通する原則は、不正なテコ現象の視点となるような咬合接触を取り除く事、そして咬頭嵌合時に臼歯には歯軸方向に力、荷重が加わるようにすることです!  

 

と説明がありました。

 

咬合調整と言ってもごくわずかです。

 

調整後、咬合した時の音が高く澄んだ音に変わりました。

 

原因を取り除きました。 

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そして、ディグマで治療後の様子を確認します。 

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私たちが何より嬉しいのは、患者様の喜びです。 

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何度も何度も口を開いて、口が開く喜びを噛みしめてくださいました。

 

お子様からも、

 

「こんなに口を大きく開くパパ、初めて見た!」

 

とびっくりしながら言われたそうです(^_<)-☆ 

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患者様と稲葉先生も和やかでしたし、実習の雰囲気も熱気が伝わってきました。

 

ご協力いただいた、患者様に本当に感謝です。

 

坪坂さんのおかげで、歯科医療の深み、喜びを改めて実感された先生も沢山いらっしゃったのではと思います。

 

『顎関節症ライブ実習コース』〜その4〜では、治療前、治療後を考察したいと思います!!

 

 

 

 

2015年04月13日 | コメント (0) | トラックバック (0)

The German state of the art of combined fixed removable partial dentures and implant stabilized supra structures

IPSG事務局、稲葉由里子です。

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』

IPSG20周年特別記念講演会のゲスト ドイツ・チュービンゲン大学 歯学部長 Prof.Dr.H.Weberの講演についてお伝えします☆♪

The German state of the art of combined fixed removable partial dentures and implant stabilized supra structures.

『最先端補綴修復治療の最新情報-従来からの固定性および可撤性補綴物ならびにインプラント埋入及び修復術 』

略歴

1974年 学位取得(歯科医学博士)

1982年 補綴学講座教授及び学科長、チュービンゲン大学

1990-91年 医学部学部長、チュービンゲン大学

1996年 EPAヨーロッパ補綴学会会長

2013年 DGZIドイツ口腔インプラント学会会長

ドイツにおける補綴歯科医学会の最高峰。

インプラントとテレスコープを使用した補綴法の第一人者。チュービンゲン大学主任教授。

元ヨーロッパ補綴学会会長。世界各地にて600回以上、口腔に関する発表、講演等を行っています。

座長をお願いさせていただいたのは、1996年にチュービンゲン大学、Weber教授の元に留学をされていた、神奈川歯科大学付属横浜クリニックインプラント科教授の林昌二先生です。  

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ドイツでは、卒業した大学の教授になることはできず、他の大学の教授になるという決まりがあります。

そのため、Weber教授は、デュッセルドルフ大学卒業でいらっしゃいますが、30代という若さで、チュービンゲン大学の教授となりました。

ヨーロッパ補綴学会会長も務め、ドイツ口腔インプラント学会の発起人でもあります。

EDZK会長、そして International Academy of Facial Restorationのメンバーでいらっしゃいます。

こちらの学会は世界中から集まり、メンバーは45名限定とお聞きました。

Weber教授の元には、多くの留学生を受け入れていて、補綴科、歯科技工科の他に生体工学を歯科の分野として研究されているそうです。

今回の特別講演会の模様は、映像を収録し、販売する予定でありましたが、個人情報や特許の情報など、かなり盛り込まれていたので、公開しないことになりました。

報告はごく一部限られた物ではありますが、『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』の素晴らしさについてお伝えできればと思います。 

Weber教授の患者様は世界中からいらしていて、ロシア、ギリシャの政治家、サウジアラビアのロイヤルファミリーなど、VIPな方々です。

会場に参加してくださった方のみが聞ける貴重な講演になったと思います。

最初に、IPSG包括歯科医療研究会20周年のお祝いの言葉をいただき、ご自身のプロフィールをお話いただきました。

IPSGは、International Practical Study Grop の略ですが、この名前が素晴らしいこと、そしてWeber教授ご自身、ドクターだけではなく、テクニシャンの支えがなければ、私は今ここにはいないでしょう。

とお話しがありました。 

講演会の前にも、テクニシャンはどのくらい参加しているのかということをとても気になさっていて、ぜひテクニシャンの方々に興味を持って頂きたいとおっしゃっていました。

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こちらのパワーポイントには義歯の設計でとても大切なことをお伝えしていました。

遊離端は長い方が、義歯を支える最後方歯にかかる負担が少ないこと。

一見、負担がかかりそうな感じがしますが、稲葉先生がいつもお伝えしているように、遊離端は長いほうがいい。

ということで、Weber教授も同じことをおっしゃっていました。

もうひとつ、気をつけないといけないのが、中間歯欠損の真ん中の歯は要注意です。

その歯を支点として、シーソー現象をおこし、骨の吸収や破折の原因となります。

テレスコープでしっかり一次固定をするなどの対策が必要です。

インプラントであっても、同じ現象が起きるので注意が必要であるというお話がありました。

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今回びっくりしたことの一つがやはり、チュービンゲン大学の学生の症例だと思います。

数症例、フルマウスの学生の症例をみせてくださいました。

技工操作はできないけれど、その他すべての形成、印象、バイトそして設計まで学生が行います。

ドイツでは、学生の実習にこのような症例がすべて含まれていて、大変レベルが高い仕事を学生時代の最初に行います。 

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Schwenkriegel(旋回リーゲル)から Drehriegel(回転リーゲル)など、様々なリーゲルテレスコープの症例を数多く見させて頂きました。

Weber教授は、リーゲルテレスコープやアタッチメントを説明する時に、

「取り外しはできるけど、ブリッジと同じ感覚だと伝える」

ことで、患者様は安心することができる。

と臨床現場でのヒントもいただきました。 

今回、私がとても驚いたのが、エピテーゼの症例です。

チュービンゲン大学がエピテーゼが大変進んでいますが、その固定方法として、リーゲルテレスコープが応用されていました。

確かに、鍵、レバーで固定することで非常に安定感を得ることができると思います。

ドイツならではの技術にとても驚かされました。

写真をお見せできないのが残念ではありますが、来年の春、2年に1度開催される、世界で一番大きなデンタルショーに参加するのを機会にチュービンゲン大学を訪問するので、ご自身の目で沢山の技術を確かめていただければと思います。 

今回の講演では、固定性ならびに可撤性補綴物の最新補綴学について詳しくお話をいただきました。

『放電加工』などの最新テクノロジーは、義歯と組み合わせた固定性・可撤性補綴物の複雑な工程を標準簡素化することができます。

またインプラントと天然歯のコンビネーションケースの上部構造にテレスコープシステムを応用することは大変有効であり、可撤できることで、修理ができるため、長く患者様の口腔内で機能させることが可能になります。 

Double Crowns 二重冠の種類には、

Telescopic crown

Conus crown

Hybrid crown

がありますが、Weber教授はHybrid CrownのDouble Crownsにフリクションピンを応用するテレスコープを好んで行われていました。

やはりドイツでも金属、テレスコープに使用するGoldの高騰によりSpark erosion 放電加工の技術が普及しています。

コバルトクロムは、鋳造加工が非常に難しい金属ですが、放電加工技術の進歩により大変精密な製作ができるようになりました。

歯科界の大きな革命と言っても過言ではありません。 

このテクノロジーは実践上難しくなく、非貴金属合金の応用であり、大変有益な結果を得ています。

Weber教授からのメッセージです。

「今回の講演は、補綴初心者にも、何が実践できるか。その上のレベルではどんなことができるのか、という視点を持つことが大切です。そして、経験を積んだ補綴家の先生方にも、ご自身の患者様に対して、最先端技術をどのようにして臨床応用に変えていくことができるのか、というヒントになったと思うので、ぜひ実践していただきたいと思います。」 

今回の講演は2時間を予定していましたが、Weber教授が準備してくださった資料は5時間分でした。

なんとか2時間半まで延長させていただきましたが、その膨大な資料と症例に驚かされました。 

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最後に、今回座長を務めてくださった、林昌二先生、昨年ISOIでお知り合いになったことを機会に、IPSGで講演もしてくださいました。

今後、また林先生には『放電加工』そして『パラレルテレスコープ』について更に詳しく教えて頂きたいと思います。

IPSG20周年特別講演会に、ドイツにおける補綴歯科医学会トップの教授にいらしていただくことができ、大変光栄に思います。  

Weber教授の数々のテレスコープ症例、そしてその膨大な知識、先生方にとって、第3の選択肢に触れる素晴らしい機会となったと思います。

沢山の先生方ご参加いただき、心より感謝させて頂きたいと思います。

そして今回の20周年を支えてくださった先生方をはじめ、関係者の方々、本当にありがとうございました☆

この20周年を機会に、出会う事ができた先生方、ぜひこれからも、IPSGをよろしくお願いいたします♪

 

2014年05月16日 | コメント (0) | トラックバック (0)

『ヨーロッパから学んだ私の臨床』

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』

続いては、一般社団法人IPSG包括歯科医療研究会 代表 稲葉繁先生

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『ヨーロッパから学んだ私の臨床』

稲葉先生は1964年に日本歯科大学を卒業、歯科医師となりました。

その後補綴学を選考し1968年東京オリンピックの年に大学院を修了、歯学博士となり、研究、教育、臨床の道に入りました。   

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最初に学んだテーマは咬合でした。

特にナソロジーに興味をもち、スチュアート、P.Kトーマス、ジャンケルソン、ラウリッツェン、ギシェーなど主にアメリカの臨床家から影響を受けました。 

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稲葉先生の臨床は咬合を基本とした顎関節症の治療、テレスコープを用いたパーシャルデンチャー、そして上下顎同時印象法による、デンチャースペースを再現する総義歯が基本となっています。

こちらの写真は、アイヒナーの分類で有名な、アイヒナー先生です。  

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Weber教授もよく知っている有名な先生の名前がでてきて、とても興味深そうに話を聞いてくださっていました。

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1970年代、アメリカで中心位の定義が疑問視され、ナソロジーが見直されてきた時期に、ヨーロッパで顎関節症の診断治療をシステム化しているチュービンゲン大学歯学部のシュルテ教授の講義を受けたいと考えていました。

その後、チュービンゲン大学歯学部補綴科の客員教授として、顎関節症とテレスコープシステムを学ぶチャンスを得ました。

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当時スチュアートの咬合器を扱えるのが稲葉先生だけだったことから、信頼を得ることができたといいます。

講演では、顎関節症の患者様、クローズドロックのマニュピレーションの方法を動画で説明させていただき、とてもわかりやすかったと思います。  

1978年から1年半に渡り、咬合と筋機能療法を基本にしたシュルテ教授の顎関節症の治療は、その後の臨床に大きな影響を受けました。 

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さらに、1978年の夏リヒテンシュタインのイボクラーで開催していた、イボクラー社のデンチャーシステムの研修を受講し、シュライヒ先生と知遇を得、現在の最終印象における上下顎同時印象の開発に至りました。

上下顎同時印象による総義歯製作方法もすべて動画でご覧頂きました☆ 

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そして、チュービンゲン大学で学んだ、リーゲル、コーヌス、レジリエンツなどのテレスコープシステムは現在の稲葉先生の臨床の基本になっていることをお伝えしました。

すでに、30年以上経過症例を多数持っていますが、大切なのは、沢山の引き出しを持つこと。

どのような状態でも対応、応用できる技術を、これまでIPSGを通じて先生方に広めて参りました。

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』は、インプラントとのコンビネーションも可能となり、テレスコープシステムはこれからの日本の歯科治療に求められる、非常に大切な技術だということを先生方にお伝えさせて頂きました。

3つのテーマを動画を織り交ぜお伝えさせていただいた講演はとてもわかりやすかったと思います。

Weber教授も、稲葉先生が広められている技術はとても価値があり、大切な技術なので、バックアップしていきたいとお話をいただきました(^_^) 

IPSGでは来年の春、ドイツで開催される、世界で一番大きなデンタルショーIDSの時期に、チュービンゲン大学を訪問する企画を立てる予定ですが、Weber教授は、その際、出来る限りの情報を先生方にお伝えしたいとおっしゃっていただきました。

今後も、IPSGを通じてドイツの歯科技術を啓蒙していきたいと思います。

 

 

2014年05月13日 | コメント (0) | トラックバック (0)

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』その2

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』

前回の技工部門に引き続き、IPSGの発起人である渡部好造先生(医療法人渡部会 理事長 本研究会会員)にご講演いただきました。

『私の歩んで来たインプラント人生』〜症例を通じて学んだこと〜 

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1953年Branemark教授による骨結合osseointegrationの発見と、それに続く1965年の初めての臨床応用から、来年で50年になろうとしています。

この間、多くの臨床家により、インプラント治療が開始され、その効果は患者様のQOLの劇的な改善につながりました。

今回渡部先生は、長期に渡る症例にスポットを当てて報告・検討してくださいました☆ 

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下顎無歯顎欠損症例では、その対応策としてオトガイ孔間に5~6本のインプラントを埋入し、Full Bridgeにすることで、20年30年と長期安定する設計が一般的に確立しているということです。

今回、24年前 渡部先生のお父様の症例をみせていただきました。

20年間食事に不自由することなく過ごされたそうです。 

上顎に関しては、Sinus lift(membrane)techniqueやGBRまたあああは、頬骨インプラントを使用した症例等も多数報告されていますが、10年20年30年といった長期報告はあまり見当たりません。

渡部先生ご自身も、1996年より、Sinus lift opeや2002年より頬骨インプラント治療と早期より始めていらっしゃり、その症例などをみせていただきました。

やはり、長期症例には咬合が大切なこと。

咬合は、稲葉先生からすべて学んだというお話もしてくださいました。

それにしても、症例の中で全顎ゴールドブリッジがありましたが、びっくりしました(^_^;

渡部先生、素晴らしいご講演ありがとうございました。

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Weber教授とは旧来より親交があり、昭和大学歯学部長であられる宮崎隆教授に、歯科材料やCAD/CAMなどの歯科理工学的見地から、最先端の技術をご講演いただきました。

『先端技術を応用した歯科医療装置の将来展望』

ということで、宮崎教授が長年取り組んでこられたワイヤ放電や液中放電処理によるチタンの表面改質について、そして先端技術を応用することにより、歯科用装置をインテリジェントな表面に改質できることを紹介してくださり、近未来に歯科医療装置の将来についてお話いただきました。 

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金およびパラジウムの価格変動により、コバルトクロム、チタンなど患者様にどのような材料を使えば良いのか。

軽くて強い、海水中でも錆びない(体の中でも錆びない)生体適合性のある金属である必要があります。

コバルトクロム合金やチタン合金が登場して、金合金と同等の適合性の回復のためには、精密鋳造では限界があり、『放電加工』や『レーザー溶接』が適用されたということで、宮崎教授の長年の研究について、様々な側面からお話をいただきました。

セラミックスやコンポジットレジンにおいても、新素材が開発され、CAD/CAMが利用されるようになりました。

光学印象を含めて、歯科用装置の作製行程はCAD/CAMの導入により大きく変貌しました。

セラミックス=陶材ではないこと、国際的には金属と同じく6段階に分かれていることなど、新しい話題が沢山あってとても刺激的でした♪

そして、コンポジットレジンへの可能性についてもびっくりするような内容でした。

ポーセレンは高級品、コンポジットは多少落ちるという考えが変わりそうです。

ファイバー強化レジンがこれからおもしろいそうです(^_^) 

この度、宮崎先生がお話してくださった内容は、まさに、『先端技術を応用した歯科医療装置の将来展望』従来の精密鋳造から、新たな材料、金属の導入により製作方法が変貌していこうとしています。

本当に素晴らしいご講演をいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

続いては、IPSG包括歯科医療研究会代表、稲葉繁の講演、そして特別記念講演、Prof.Dr.H.Weberの内容をお伝えします♪ 

2014年05月12日 | コメント (0) | トラックバック (0)

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』その1〜技工部門〜

IPSG事務局、稲葉由里子です。

2014年4月27日、IPSG包括歯科医療研究会発足20周年を記念して、学術大会が開催されたのでご報告させて頂きたいと思います☆♪

記念行事の最も重要なイベントとして、ドイツ補綴学の権威であり、チュービンゲン大学の医学部長であり、ドイツ補綴学会会長も歴任された、Prof.Dr.H.Weberをお招きしました。

「ドイツ最先端義歯とインプラントの融合」と題し、Weber教授の30年以上にわたるチュービンゲン大学における臨床研究結果から、インプラント上部構造や可撤性補綴に関する、最新の放電加工技術を用いた補綴治療を中心にご講演していただきました。

沢山の素晴らしい先生方の講演がございましたので、お一人ずつご報告させていただきたいと思います☆♪  

今回のWeber教授の講演に合せて、技工部門として、関聖生先生(京王歯研代表、本研究会会員)にトップバッターをお願いさせていただきました(^_^) 

『工業界の加工技術を応用したインプラント上部構造及びテレスコープシステム』 

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関先生は、30年程前から多数歯欠損補綴に取り組んでいらっしゃり、マテリアルとして貴金属や当時ほとんど使用されていないCo-Cr-Ti合金による、メタルボンド前装リーゲルテレスコープやテレスコープシステムを手がけられてこられたそうです。

1998年にはチタン鋳造法を開発、インプラント上部構造を組み込んだテレスコープ、そして最近では、放電加工による製作方法に取り組んでいらっしゃいます。

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現在これらのマテリアルの加工に、Co-Cr用やTi用鋳造機によるフレーム鋳造、レーザ加工機による溶接や盛りたし加工、ドイツSAE社の歯科用放電加工機によるインプラント上部構造の適合修正や、既製品リーゲルテレスコープのフレームへの取り組み、フリクションピンの穴あけ加工などに使用していらっしゃいます。

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そして、天然歯を一次固定し、インプラントの上部構造に可撤性のテレスコープシステムを応用した症例なども多数みせていただきました☆

これらの、技工作業の平均製作時間は、150時間、160時間かかります。

場合によっては、前装のやり直し、バイトの問題があると、もっと時間がかかります。

最後に先生方にお願いがありました。

『正確なバイトをとっていただきたい。』 

ほとんどのケースでバイトが狂っているそうです。

先生方は簡単に削合、修正をだしますが、作る側はこのように長時間かかっています。

これまで、やって来た事がすべて無駄になってしまうということを知って頂きたいと思います。

他の技工士の先生からも、フルブリッジを簡単に再製をだす先生がいらっしゃると聞いた事があります。

ドクター側も、技工所にお願いする時は、何度もチェックしてお互い遠回りしないようにしていきたいものですね。 

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続いては、長年ドイツに滞在され、日本人初のドイツ技工マイスターである大畠一成先生(デンタルラボア・グロース代表、本研究会会員)に、日本とドイツの歯科技工の違い、物の考え方や価値観について講演をいただきました。

『ドイツにおける歯科技工教育制度とその歯科技工のトレンド』 

ドイツにはマイスター制度が存在し、「その道のプロ」たる職人の長として国家資格を習得し、その分野で十分な経験を積んで一流の技術を磨く事はもちろん、後身指導も行うそうです。

国際化に伴い、マイスター制度が問題となり、最近では、マイスター称号94業種から41業種となったそうですが、もちろん歯科技工士は41業種の中にあります。

大畠先生は、年間最優秀マイスターとして表彰され、日本人としては初めてマイスターを取得されました。

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可撤性テレスコープ補綴装置は、固定性補綴装置に相当する快適性を示すと同時に、適応する素材を応用することによって、より完全な審美性を患者様に提供することが可能となります。

ということで、沢山の臨床ケースを見せて頂きました。

トレンドとしては、テレスコープの内冠も白くすること。

内冠を外した時のゴールド色に抵抗がある患者様もいらっしゃるからだそうです。

林昌二先生とのお仕事も素晴らしかったです。

ガルバノキャップの外冠とナノジルコニアフレームの接着など、可撤性テレスコープの症例をみせていただきました。 

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最後に、大畠先生の愛娘、ゆりさんのお写真をみせてくださいました。

素敵です☆♪

やはり、天然歯に勝るものはありませんが、高齢化社会が進んでいる今の日本の現状では危機管理ができる、可撤性補綴『テレスコープシステム』の技術を身につけるのは非常に大切だと感じます。

その意味で、今回のIPSG20周年特別記念講演のテーマ

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』は、これから日本で求められる技術だと思います。

IPSG会員で技工士の中沢勇太さんから関先生、大畠先生のご講演の感想をいただいたので、ご紹介させて頂きたいと思います☆♪

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IPSGに所属する技工士とし、とても注目していたのが、京王歯研のリーダーである関先生そして、日本人初の技工マイスター大畠先生のお話でした。

関先生は経歴からもわかる通り、技工を他分野から追求し、様々な高度技術を用いて精度の高いインプラントリーゲルや、 デンチタンなどのノンプレシャス合金を用いたテレスコープ技工を可能にした、素晴らしい技工士であり、講演されるのをずっと楽しみにしておりました。

大畠先生からは、ドイツのマイスター制度について聞かせて頂けるのと、テレスコープ症例を見せて頂けるのを期待しておりました。

関先生の講演内容からは、多くの臨床ケースをスライドで紹介していただき、大型のケースであっても長期間患者の口腔内にとどまっているものや、高度なミリングテクニックの実践症例を見ることができ、大変勉強になりました。

今まで自分の勉強不足から、姿の見えなかった放電加工の一部を知り、インプラント上部構造の完璧なフィットを出す様子はとても衝撃的でした。

またCAD/CAMによる旋盤加工でほぼすべてのインプラントシリンダーやロケーターに対応できるのは、本当にすごいことであると思いました。

残念だったのはリーゲルテレスコープの技工的な部分をもう少し詳しく知りたかったのですが、またいつか講演していただけたらうれしいと思います。

また、講演後にも質問に答えていただいたり、アドバイスをいただけたことはとても貴重な経験となりました。

大畠先生は私が学生のころからのあこがれの存在であり、レベルの高い技工物、とくにセラミック技工はずば抜けていて、真似をすることのできないものでありました。

今まで鋳造床専攻の私からしてみたら、想像もできないような匠の仕事であり、ただただ感動いたしました。

またドイツの技工士認定制度マイスターの詳細を知ることができ、誰でもが開業できてしまう日本の歯科技工の現状の利点と問題点についても考えさせられました。

技術職である技工士に対しての認識の違い、誇りを持って仕事をする姿勢は、残念ながら日本よりドイツの方が優れており、日本も何らかの認定制度を設けてもいいのではないか、誇りある歯科技工を行える環境作りが、日本でも進んでほしいと思いました。

テレスコープ技工の道を歩み始めた私にとって両先生の講演内容は、テレスコープ技工の歴史と進化を知ることができ、進むべき道と目標を明確にすることができました。

私も関先生、大畠先生のように、知識や技術に裏付けられた技工ができるように日々精進しレベルを上げていきたいと思いました。

歯科技工士:MDLキャステティックアーツ 中沢勇太

2014年05月11日 | コメント (0) | トラックバック (0)

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