IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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入れ歯小冊子

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患者さん向けに書いたこの小冊子、歯科医の先生方からもうれしい反響をいただいております。

先日、稲葉繁先生のIPSGスタディーグループで開催された、総入れ歯の実習セミナーで先生方にお配りしたところ、「わかりやすい!」 と皆さんおっしゃってくださいました。

私は、できるだけたくさんの患者さん、そして歯科関係の方々に稲葉先生のテレスコープシステムを知っていただきたいと思っています。

日本では、コーヌスクローネだけがテレスコープだと思われていますが、実はドイツではたくさんのテレスコープシステムがあるのを、ご存じない方がほとんどです。

この小冊子を読んでいただき、皆さんが関心をもっていただければ、新しい入れ歯の技術として広まるのでは・・・と期待しています☆

ご興味のある方はぜひコチラのホームページからお申込みください。

http://www.ireba-inaba.jp/

(おひとり様1冊とさせていただきます。)

小冊子を読んでいただいた、町田市で開業されているM.M先生からこんなうれしいメールをいただきました。

 ↓  ↓  ↓

  IPSGでテレスコープと総義歯の講習を受講した後に、「これをうまく患者さんに伝える方法は無いかな?」と思っていたところ、
由里子先生が「こんな冊子を作ったので、皆さん読んで下さい」と頂いたのが、
ピンクの表紙のかわいらしい「入れ歯で快適な生活を送るために」でした。

入れ歯に興味がある患者さんの為に、事前資料として待合室にその冊子を置く事にしました。
その日は患者Yさんに、抜歯の説明とその後の入れ歯について説明をしなければならない日でした。
来院されたYさんの目に、ピンクの小冊子が目に留まりました。早速中を覗いています。その目は真剣です。

少し冊子に目を通す時間を置いてから、診療室にお呼びしました。
それまでもYさんには、稲葉歯科医院の「入れ歯のHP」を参考にさせていただいて、ノートパソコンでお見せして入れ歯の説明をしたり、紙にペンで図を書いて説明していました。

ある程度はYさんも理解が出来たようでしたが、やはり落ち着いて考える時間が必要な様子でした。
1つは費用のこと、もう1つは年齢のこと(80以上の御高齢)。
私は、抜歯の日程と、入れ歯の種類、それぞれの細かな金額と利点・欠点を説明し、紙に書いてお渡ししました。
説明と処置を終え待合室に戻るとYさんは、また真剣に冊子に目を通しておいででした。

お会計の際に私は資料になればと思い、
「Yさん、その冊子お貸ししますから、御家でゆっくり目を通されて検討なさってください。」
と言うと、
「宜しいんですか?では是非お借りしていきます。」
と言って嬉しそうにお帰りになりました。


2週間後Yさんが来院し、
「先生、この御本有難うございました。大変良く分かりましたし為になりました。私の入れ歯も、先生が仰った様にこの入れ歯でお願いします。」
と笑顔でお話してくださいました。
この事からも、改めて紙媒体による資料は大切だと思いました。
そして、世代ごとに説明の方法は変えないと、受け入れてもらい難いとも感じました。

由里子先生、素敵な小冊子を有難うございました。

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 とってもうれしいです。M.M先生、こちらこそありがとうございました!

2010年09月15日 | コメント (0) | トラックバック (0)

リーゲルテレスコープとは?

当医院では、諸外国の中でも入れ歯においてもっともすすんでいるとされるドイツの入れ歯(リーゲルテレスコープ)をとりいれていますが、これは、費用はかかっても質の高い長持ちのする治療を受けるドイツ人の考えから生まれたものです。

日本では保険の入れ歯の調子が悪ければ、半年毎に取り換えることが可能です。

患者さんの中にはビニール袋の中にたくさんの入れ歯を入れてきて、どれも合わないと訴える方がいらっしゃいます。

これらの入れ歯を一つにまとめ、良質で高度な技術と材料を使用することができれば、高齢者となったとき、歯を失わず快適で豊かな食生活をおくることが可能です。

(ドイツでは、最低3年間は耐用年数と考えられていて、万が一紛失した場合は、全額患者さんの負担になります。)

当医院の顧問、稲葉繁先生がはじめてドイツからリーゲルテレスコープを紹介してから30年近くなりますが、当時治療した患者さんの入れ歯が30年たった今もしっかり使われていることをみても、ドイツ人の入れ歯の技術はすごいな、と関心します。

(現在も定期的に歯科医師、歯科技工士を対象にリーゲルテレスコープの研修会をひらいています。詳しくは、IPSG事務局にお問い合わせください)

リーゲルテレスコープは、全部歯を喪失している総入れ歯の方にではなく、上下の歯が数本残っている方に適応されます。

日本の部分入れ歯はクラスプというバネを残っている歯にかけるものがほとんどです。

歯は噛む力の方向には強いのですが、横にかかる力にたいしては非常に弱いです。

クラスプは歯にばねをかけて横に揺らしてしまいます。そのため歯がゆるみ、歯槽膿漏と同じような症状でぬけてしまうことが多いです。(病院によっては、歯槽膿漏と診断されることもあります。)

リーゲルテレスコープは残っている歯、すべてを固定し強くして歯を横に揺らさないようにすることができるため、残っている歯を利用し長持ちさせることが可能です。

現在、歯を失った方に対してインプラントが主流で、当医院でも、骨がしっかりしていて条件がそろっていればまず、インプラントをおすすめしますが、なかにはインプラントで対応できない事がいっぱいあります。

骨がうすい、残っている歯がぐらぐらしている、欠損している歯がたくさんある、など。中にはインプラントが嫌だという方もいらっしゃいます。

そういう方にはリーゲルテレスコープをおすすめします。

もうひとつリーゲルテレスコープの優れているところは、修理ができることです。

長い間には中が虫歯になったり、歯が割れてしまってどうしても抜歯をしなくてはいけないこともでてきます。

その時、また入れ歯をすべて作りなおすのではなく、簡単な修理でもとの入れ歯を使うことができます。

もちろん、最初にリーゲルテレスコープを作るとき、技工士と設計をするのですが、弱い歯に対しては、抜けることを想定しておいて、修理ができるようにしておきます。

弱い歯はリーゲルテレスコープでできるだけ持たせて守ってあげるという考えです。

また、保険の入れ歯は人が見て、入れ歯であることがすぐにわかります。(特に私たち歯科医師は)

リーゲルテレスコープは見えるところに金属色を使わないようにすることができるので、入れ歯であることがほかの人から気がつかれません。

 

それでは、ばねもなくどのように入れ歯がしっかり固定されているかというと、

リーゲル(Riegel)とはドイツ語で閂(カンヌキ )のことで、これを維持装置に使っています。

入れ歯の中に小さな鍵がかかるようになっています。

これは、鍵をしめると舌でさわってもわからないようになっているのでほとんど違和感がありません。

この鍵をひらくと(手で簡単にあけることができます)、すっと入れ歯を取り外すことができます。

普段は入れ歯であることを忘れてしまうぐらいです。

もちろん、寝るときは、歯磨きをして、入れ歯もあらって装着したままお休みになれます。

(寝ているときに間違えて飲んでしまうなんてことが絶対ないからです。)

自分の歯が一番大事ですが、もしも残念ながら歯を失ってしまった場合、このような治療方法がありますのでどうぞどのような治療方法がご自分にとって最善か 歯科医師と相談することが大事だと思います。

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上の写真はリーゲルテレスコープ義歯。鍵をひらいたところです。しめるとしっかり歯が固定されます。

下の写真はセラミックのブリッジとインプラントをいれました。

2010年02月03日 | コメント (0) | トラックバック (0)

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