IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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咬合管理の重要性

本来、歯科医療には診療行為そのものと患者さん教育、啓蒙との二面性があり、日々の臨床においてそのどちらが欠けても満足のいく治療結果が得られないというところがあります。「適切な時期の適切な処置」さらに「適切な患者さん教育」を常日頃から心がけることによって、患者さんの信頼をより確かにえることができます。

患者さんが減少していく今後ですが、むしろ患者さん教育に費やす時間が増えたと考え、誰もが生涯自分の歯で過ごすことができる可能性が出てきたととらえるべきでしょう。

これからの医療において、疾病の治療から健康管理への転換、すなわちキュアよりケアに重きが置かれるようになると、歯科医師も否応なしにカウンセラーの役目を負わなければならなくなると思います。

そしてMinimal Interventionにより歯科医師の治療への介入が最小となり、国民が高齢者になっても多くの健康な歯を保有するという時代が遠からずやってきます。

歯科疾患の予防の最も大切なことは、よい歯列をつくることであり、それが生涯保たれることです。

しかし、疾病の予防が進んでも解決できない問題は咬合の管理です。

咬合を専門としているのは、他ならぬ歯科医師です。

これまで、歯科の業務は「歯」に固執しすぎていた感があります。疼痛除去に始まり、歯の実質欠損や歯の欠損に対し、元の形に戻す補綴処置ばかりにとらわれすぎ、生涯にわたる体全体のバランスを考えた医療をおこなってこなかったのではないでしょうか。

今後の歯科医療においては咬合を重要視し、歯科医師であるならば専門を問わず、咬合を最も重要視した医療を行うべきです。どんなに予防が進んでも咬合問題を解決できない限り、歯科疾患に対する根本的な対応はできません。今後の歯科医院は咬合管理に最も重きを置くべきです。

 




2010年05月26日

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