IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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2013年01月28日

石原明先生マーケティングセミナー第4回開催されました☆

こんにちは。

IPSG事務局、稲葉由里子です。

2013年1月27日『石原明先生マーケティングセミナー第4回』が開催されたので、ご報告させていただきます。

今回も沢山の先生方にお集まりいただきました☆

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毎回、稲葉先生とのコラボセミナーとなっています☆

今回のテーマは『高齢者の口腔管理、歯科治療』 ということで、普段なかなか聞けないような話を、たっぷりお話しさせていただきました。


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稲葉先生は、日本歯科大学第2補綴講座助教授を得て、その後日本の歯科大学発の高齢者歯科学教授を7年間勤めてきました。

1992年、今から20年も前に、高齢者歯科のマニュアル、ガイドラインを作り、沢山の論文、学会発表をしてきました。

今回の話もとても興味深い内容でした☆
 
『世界に誇る長命国日本』 と言われていますが、実は 『寝たきり老人大国』 なんです。
・・・・・^_^;
でも、これ現状ですよね。
 
今の日本の高齢者対策は非常に遅れていますが、それに輪をかけて、高齢者の歯科対策が遅れをとっています。
 
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日本で介護保険がスタートした年、ドイツのカイザース・ラウテルンの特別養護老人ホームを見学に行きました。
 
日本とのQOLの質の差に愕然としたものです。
 
ドイツでは特別養護老人ホームは部屋からでてくるとき、寝間着ではでてきません。
きちんと洋服を着て、女性はお化粧をして広場に集まります。
 
日本のように寝間着で歩き回るような事はありません。
 
ほとんど、すべてが個室で、24時間体制のケアがされています。
普段通りの個人の生活を大切にし、プライベートが守られています。
 
ドイツでは例えば旦那さんが入居したとしても、奥さんがつきそい、使い慣れた家具もいれられ、ペットと一緒に暮らすことも許されています。
 
そこで生活をしているのです。
 
広々とした庭のようにみえて、 痴呆の入居者が施設外に出て道に迷ったりすることのないように工夫されているのも特徴です。
 
ピアノリサイタル、映画鑑賞、ビリヤード場に屋内スイミングプール などの設備があり、そこが、まさか老人施設だとは普通の日本人の感覚だとわからないと思います。
 
日本はどうか。

面倒を見ているようで、根本的に、高齢者のためにはなっていないと私は思います。

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人的資源についてが日本でも大きな問題となっています。

ドイツではどうなっているのかというとをお伝えします。

ドイツには1956年に憲法改正により、義務兵役法を設立させました。

徴兵年齢は満18歳。兵役期間は15か月となっています。

ですが、「良心的兵役拒否」の権利が認められていて、国は兵役をしたくない人達に対し、介護施設でボランティアをするということにしています。

年間30万人以上と言われ、ドイツの介護保険導入で需要の増えた人材不足を補っている。

ということだそうです。

ドイツでみた介護施設のAWOでは寝たきりになっている人がほとんどなく、夫婦で仲良く老後を楽しみ、自立した人々が介護保険の支給により、老後のQOLを保っている感がありました。

唾液の性質と義歯との関係、口腔衛生管理、高齢者の身体的特徴、そしてこれから求められる歯科医療について、話がありました。

素晴らしい話をきくことができたと思います。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:゜・:,。*:.。o○☆゜・:,。

そして、石原明先生のお話しです。

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最初に。

おまたせいたしました。

石原明先生+稲葉先生のコラボセミナー、マーケティングセミナーのDVD第1回が完成しました!

詳細は後日、IPSGのサイトでお知らせいたします。

セミナーにご参加頂けなかった方にもまとめて購入されるとお得なセットもあります。

石原先生のマーケティングを今後の医院経営に活かして頂ければと思います。

▼ご購入のお申込みはこちらから

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「人間の脳の特性」についてのお話し、おもしろかったです。

でも、今回の石原先生のセミナーの内容は、またしても内緒です♪

いつも私はセミナーの内容を書き過ぎと言われます(>_<)

ひとつだけ。

『脳の特性を知る事』

こちらが伝えたい状況を理解したうえで、新しい情報を伝える→相手の脳を書き換きかえる。

これは、とってもためになりました。

何がなんだかわからないと思いますが、お知りになりたい方はぜひDVDをご購入ください<(_ _)>

 

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今回も(株)レイズの大塚さんよりお話しいただき、とてもためになるお話しをいただきました。

IPSGの会員の先生方には後日、情報をシェアさせていただきたいと思います。

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グループディスカッションもあり、楽しく患者様と会話をする方法などを体験しました。

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最後に、これまで4回のマーケティングセミナーに参加して、どんな変化があったかを何人かの先生にお話しをいただきました。

素晴らしすぎて、どよめきがあったほどです。

先生方からの感想です!!

◆稲葉先生 だ液と補綴の関係、見方が分かりやすかったです。IPSGの技術を獲得した上でマーケティングもうまくいけば勉強していく意欲が違ってくる。

◆ワークは緊張しますが、本音や具体的な事例が聞けて為になりました。

◆午前の稲葉先生が見せて下さった悪性腫瘍の患者さんの症例が衝撃的でした。自分の仕事に対する思いを深く考えさせられました。又、国の背景をふまえた歯科のあり方を教えてもらえて本当に稲葉先生は色々なことを知っているのだなぁ・・・と思いました。

◆あとは行動あるのみだ!!!

◆質問すると情報が全部手に入るということが本当によくわかった。

◆深く奥の方まで思考して質問していこうと思います。

などなど、アンケートを書いていただく時間があまりない中、色々と楽しい感想をいただき、ありがとうございました。

次回、石原先生マーケティングセミナー第5回は、2月24日(日)です!!

石原先生の出演しているDVDとして、現在はテレスコープのものがありますので

いち早く入手したい!という方はぜひチェックしてみてくださいね☆

▼石原明先生も出演しているテレスコープシステムセットのDVDはこちらから

▼マーケティングセミナーに関するお問い合わせ、ご購入のお申込みはこちらから
 
ということで。
 
今回も全国各地から、沢山の先生方にご参加いただき、本当にありがとうございました☆♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者 shige : 17:04 | コメント (0) | トラックバック

2013年01月19日

パーシャルデンチャー・テレスコープの臨床セミナー開催されました☆

こんにちは。

IPSG事務局、稲葉由里子です。

2013年最初のセミナーが1月13.14日、『パーシャルデンチャー・テレスコープシステムの臨床セミナー』KaVo Dental systems Japanセミナールームで開催されたのでご報告させていただきたいと思います☆♪

パーシャルデンチャーの修復に際し必要な知識と技術はクラウンブリッジの要素から総義歯の要素まで必要です。

1歯欠損から1歯残存までそれぞれの欠損形態に対し、様々な種類があります。

咬合の崩壊を多くのケースで伴っているため、咬合の知識は必須となります。

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パーシャルデンチャーの設計の大切なことは全身から診断し、三次元的に基準面を揃えることです。

咬合関係は有歯顎もデンチャーも同じです。 

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パーシャルデンチャー設計の順序について大事な話がありました。

◆パーシャルデンチャー設計の順序

①維持と支持の概念を持つことが重要
日本ではすぐに、サベイヤーがでてくるが間違っています。(クラスプ)

②支持の設計が優先します(レスト)
日本ではレストはクラスプの付属品のような感じですが、レストが優先です。

なぜかレストなしの線鉤を用いたりしていますが、レストはつけるようにしてください。

レストは力を伝達する役目、歯根の先端まで力を伝える役目を持っているので、レストの形はよく考える必要があります。

球面形成レストは歯軸に力を加えることができることも覚えておいていただきたいと思います。

③維持装置であるレストが最優先

④クラスプの付属品がレストではありません。レストが主役です。

⑤クラスプは義歯が外れないために必要なものです。

⑥テレスコープやアタッチメントは維持と支持を共有します。

ということで、ほとんどすべての症例を、稲葉先生は各種テレスコープで対応しています。

1967年から稲葉先生が留学していたチュービンゲン大学ではクラスプデンチャーは使われていません。

大学の教育にもないのです。

そのかわり、カバーデンチャーとワンピースキャストパーシャルに変わりました。

1967年に終わってしまった義歯が日本では依然として主流というドイツや先進諸国に比べ大きな遅れをとっているのが現状です。

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こちらは、ドイツの技工雑誌、Dental Laborです。

当時から、ドイツのコーヌスクローネはミリングを行っていましたが、稲葉先生がもっといい方法ないかな。

ということで、模型研磨器を開発しました。

ドイツでも、この研磨器は広まり、雑誌でも紹介されました。

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コーヌスクローネのクオリティーを決定するのは内冠の研磨方法です。

内冠の表面を確実な直線で仕上げる事です。

直線に仕上げるためにはフリーハンドではどんなに注意していても丸みが付いてしまい、不可能です。

フリーハンドの手研磨で曲線に仕上った物は、装着直後は維持力が出ますがしばらくすると維持力が落ちてしまいます。

従ってフリーハンドで研磨する方法を習った人は維持力を継続するのが困難であるためコーヌスクローネの評価を落としてしまいました。

それに比較して器械研磨した物は確実な表面の直線仕上げにより、永続性のある維持力が得られ、義歯を長期に使用する事が出来ます。

確実な方法としては、ミリングマシーンを使い表面を直線で仕上げる方法、あるいは稲葉先生が開発した横型研磨器を使う方法が有ります。

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この研磨器はディスクを回転させて、この表面に内冠の表面を当てると確実に直線に仕上がります。

研磨ディスクは荒研磨から鏡面仕上げが出来、簡便確実であるためにカボ社からのK9内冠研磨器として発売されました。

このためコーヌスクローネの本場ドイツで評判となり、海賊版まで売られる様になりました。

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そのため稲葉先生はシュトゥットガルトのマイスターシューレに招待され、コーヌスクローネの研修を行った経験が有ります。

その後この方法で国内で研修を重ねて来ました。

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鏡面仕上げした内冠にパターンレジンで外冠を作成し、埋没剤をコントロールしゼロフィッティングさせたコーヌスクローネは確実に長期に使用する事が出来ます。

義歯装着後に安定した状態を得るためには内冠と外冠の間に隙間を作らないほうが結果が良いということで、『ゼロフィッティング』という考えが生まれました。

これには様々な必須条件があります。

金属はゴールドを70パーセント以上を含有し、それに白金を加えた合金を使う。

ヴィッカーズ硬度250程度の時効効果(鋳造したまま放置し硬度を増す効果)のある金属を使用し、埋没剤の混水比の調節により1.5パーセントの膨張を得る。


これらの条件を満たすことで、ゼロフィッティングをさせることが可能であるということが分かりました。

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口蓋をいかに利用するかという事も非常に大切です。

馬蹄形は最悪だということを覚えておいてください。

日本の大連結歯の設計はただ右と左をつなぐだけです。

3点支持の場合は、トーションバーやシュパルテを用いるは日本では全く知られていません。

そして、インプラントはパーシャルデンチャーの救世主かということについてもお伝えしたいと思います。

インプラントの応用によりパーシャルに変革が起きました。

特に遊離端義歯のアンカーとしてしようすることによって粘膜の沈み込みが抑えられ、義歯の確実に安定し、骨吸収が抑えられるようになったのは革命的です。

パーシャルにとって最も難しいと言われる3点支持の場合でも4点支持にすることが可能で最も安定した形となります。

少数歯残存の上顎パーシャルにとっての床の適応は必須条件であるがインプラントにより取り除くことができます。

稲葉先生の息子であり、口腔外科医の稲葉智弘先生と、現在インプラントとテレスコープのコンビネーション症例を行っています。

このような症例は、本場ドイツでも多くみられます。

当時日本で多く行なわれている方法を見直す目的で「正統派コーヌスクローネ」という本を出版しました。

このたび一部を復刻し、研修受講者に読んでいただける様にしました。

ドイツから帰国後多くのコーヌスクローネを使用した補綴物を行って来ましたが、その多くが今でも機能しているのが事実です。

是非正しいコーヌスクローネを使用した補綴物を行っていただけるように願っています。

 

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そして、今回2日間にわたり、岩田副会長が、各種パーシャルデンチャーへの対応、リーゲルテレスコープ、コーヌスクローネ、レジリエンツテレスコープについてのお話しがありました。

沢山の症例を用いてわかりやすく説明がありました。

動画を用いて、患者様の実際の感想、そしてリーゲルテレスコープの着脱法など、新たな視点で、大変勉強になりました。

これから、定期的に岩田副会長のテレスコープセミナーも開催していきたいと思います(^_-)-☆

 

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今回から初の試みとして、セミナー最後の1時間を症例検討会と言う形で、先生方と一緒に考える時間を作らせていただきました^_^

トップバッターは、IPSG事務局長、稲葉智弘先生です。


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ある、歯科雑誌で掲載されていた内容について、とても興味深いもので、改めてコーヌスクローネの基本知識について学ぶことができました。

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そして、技工士の先生も数多く出席いただいたため、製作する立場からのアドバイスもいただくことができ、大変勉強になりました。

三橋学先生です☆

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初めて参加いただいた、高瀬直樹先生の症例相談です。

「とても悩んでいた症例なので、とても助かりました。」

とコメントをいただきました。

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その他の先生方からの活発な質問に答えている稲葉先生。

今回やはり、初参加で北海道からご参加いただいた小畑俊剛先生

「今までの歩んできた道は間違えてないと確信し、帰りの飛行機の中でなんとも言えない至福感を覚えました。歯科医師になって本当によかったです。」

というコメントをいただき、今回のセミナーを開催させていただくことができて、本当によかったと感じました。

次回、2月10.11日(日・月)に開催される

『パーシャルデンチャー・テレスコープシステム実習コース』 、ほぼ定員に達していますが、若干名なら受け付けております。

記事をお読みになって、実践で学びたい!と思われた方はぜひご参加ください!

▼セミナースケジュールはこちらから

▼セミナーのお申込みはこちらから

◆テレスコープシステムに対して疑問をお持ちの先生方へ

間違った方法が広まってしまったために評判を落としてしまったテレスコープ。

1980年代臨床家の間に広まったコーヌスクローネについて、
疑問をもたれている先生に、なぜそのような評判になってしまったか、
ということを稲葉繁先生が詳しく解説するページを作成しました。

ページの中では、

1.テレスコープシステムの歴史とコーヌスクローネへの誤解
2.ドイツでのコーヌスクローネの扱われ方
3.日本でのコーヌスクローネの扱われ方
4.今後のコーヌスクローネの活用方法

について、詳細な説明をしてあります。
ご興味のある方はぜひご覧になってくださいね☆

テレスコープシステムに疑問をお持ちの先生方へ

それでは、今回ご参加いただいた沢山の先生方、本当にありがとうございました。  

投稿者 shige : 11:04 | コメント (0) | トラックバック

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